この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
千一夜
第56章 第八夜 island 二本の電話
「財務の担当者がいないってどういうことですか?」
 池沢は河田の方に顔を向け、小さな声でそう言った。
「そんなもんだよ」
 河田は池沢にそう答えた。
「河田さん、申し訳ないが時間をもらえないだろうか?」
 社長の加地が河田にそう言った。
「もちろんです」
「一つ訊ねていいかな?」
 加地は資料を閉じて河田を見た。
「どうぞ」
「君の会社の弁護士がね、今日のアポを取るときにだね、第三者割当増資につての条件が出してきたんだよ。君は知ってるかね?」
「はい」
「役員全員の留任が前提。間違いないよね?」
「はい、間違いございません」
「金は出せ。だが自分たちは辞めない。それじゃあ、あまりにも虫が良すぎるよ」
「社長のおっしゃる通りだ。留任できる役員はせいぜい一人。後は出てってもらう。会社をダメにした責任を取るのが普通だろ。お前、常識がわからないのか」
 十人の中の誰かが社長の言葉を繋いだ。
「まぁまぁ、今日は秘書を連れて二人で挨拶に来たんだ。彼らを今責めちゃいけない」
「ありがとうございます」
「よし、それじゃあ一週間後にこちらから連絡する。それでいいよね?」
「ダメです。三日後に連絡を頂きたい」
「お前何様のつもりだ!それが人にものを頼む態度か!だから会社が潰れるんだよ!」
「おい、止めなさい」
 加地が十人の中の誰かの怒りを抑えた。
「三日後でお願いします」
「理由は? 三日後の理由は?」
「二百頁くらいの資料を精査するのに一週間は必要ありません」
「我が社の社員はこの資料を精査する以外にも仕事はあるんだが」
「社長のおっしゃる通りです」
 太鼓持ちはどの世界にもいる。
「この資料は私と池沢の二人が一週間かけて作成したものです。貴社の財務部に所属する社員が二人だけとは考えらません。せいぜい五人が各パートをそれぞれ精査すれば半日かからない。それができないようじゃ……」
「できないようじゃ……何だね?」
 加地が河田にそう訊ねた。
「社員は無能だと言うことです」
「侮辱するのか!いいかげんにしろ!」
 太鼓持ちたちが一斉に怒鳴った。
「河田さん、君言い過ぎじゃないか?」
 加地が静かにそう言った。
「失礼しました。無能という言葉を取り消してお詫びします」
 河田は加地と十人に対して二回頭を下げて詫びた。 
「よし、三日後だ。ただし条件がある」
「条件……」



/744ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ