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千一夜
第54章 第七夜 最終章 真空のゆらぎ
「見て、竹内が車の外で私たちを待っているわ」
「咲子が悪いんだよ。車で待っていればいいのに、君が外に出てしまったから」
「私のせい?」
「そうだ」
「バカ」
「竹内さん、コート着てないよな。寒かったろうに」
冬の京都はコートを着てても寒いのだ。
「お帰りなさいませ」
竹内はそう言ってドアを開けた。最初に咲子が車に乗り込む。
「すみませんでした。竹内さん、寒かったでしょ?」
車に乗り込む前に私は竹内にそう言った。
「大丈夫ですよ。私、寒さには強いですから」
「本当に申し訳ない」
私は竹内に謝ってから車に乗り込んだ。竹内のお陰で車内はあたためられていた。
竹内が運転席に座る。車を出す前に竹内は私の方を振り返り、DVD……かCDのようなものを私に渡してこう言った。
「先ほどですが、私たちの街の方が車にいらっしゃいまして、これを市長に渡してくれと頼まれました。高価な物を市長は受け取ることが出来ないと申し上げましたら、車の中で聴いてほしいCDだと言われましたので、その方からお預かりしました」
「この車に乗っている人間が○○市の市長だとどうしてわかったの?」
咲子が竹内にそう訊ねた。
「車のナンバープレートで、○○県であることを確認されたそうです。それとこの車で役所に登庁する市長を何度か見たことがあると言っておられました」
「男の人? それとも女の人?」
咲子はCDを持ってきた人間に興味がわいたらしい。
「女性の方です。お歳は……お嬢様と同じくらいかと思います」
「そう」
「お名前を伺おうとしたのですが、申し訳ござません、伺う前にその方は立ち去られました」
「観光で京都に来たのね。冬でも京都は人気があるんだわ」
咲子がそう言った。
「……」
何かが引っかかる。
「CDだったら問題はないわね。それにしてもこのCD何だか変よね。紙のパッケージがないからどんな曲がこのCDに入っているのかわからないじゃない。それとも何かの宗教をPRするためのもの? でなきゃ、心霊音を収録したものとか、何だか気味が悪いわ」
咲子がCDを手にしてそう言った。
「とても感じのいい方で、何かの勧誘を目的にしているようには見えませんでした」
竹内がそう言った。
「少し早いが、京都で食事をしてから帰ろう」
「賛成」
咲子はそう言うとCDを後部座席中央にあるボックスに入れた。
「咲子が悪いんだよ。車で待っていればいいのに、君が外に出てしまったから」
「私のせい?」
「そうだ」
「バカ」
「竹内さん、コート着てないよな。寒かったろうに」
冬の京都はコートを着てても寒いのだ。
「お帰りなさいませ」
竹内はそう言ってドアを開けた。最初に咲子が車に乗り込む。
「すみませんでした。竹内さん、寒かったでしょ?」
車に乗り込む前に私は竹内にそう言った。
「大丈夫ですよ。私、寒さには強いですから」
「本当に申し訳ない」
私は竹内に謝ってから車に乗り込んだ。竹内のお陰で車内はあたためられていた。
竹内が運転席に座る。車を出す前に竹内は私の方を振り返り、DVD……かCDのようなものを私に渡してこう言った。
「先ほどですが、私たちの街の方が車にいらっしゃいまして、これを市長に渡してくれと頼まれました。高価な物を市長は受け取ることが出来ないと申し上げましたら、車の中で聴いてほしいCDだと言われましたので、その方からお預かりしました」
「この車に乗っている人間が○○市の市長だとどうしてわかったの?」
咲子が竹内にそう訊ねた。
「車のナンバープレートで、○○県であることを確認されたそうです。それとこの車で役所に登庁する市長を何度か見たことがあると言っておられました」
「男の人? それとも女の人?」
咲子はCDを持ってきた人間に興味がわいたらしい。
「女性の方です。お歳は……お嬢様と同じくらいかと思います」
「そう」
「お名前を伺おうとしたのですが、申し訳ござません、伺う前にその方は立ち去られました」
「観光で京都に来たのね。冬でも京都は人気があるんだわ」
咲子がそう言った。
「……」
何かが引っかかる。
「CDだったら問題はないわね。それにしてもこのCD何だか変よね。紙のパッケージがないからどんな曲がこのCDに入っているのかわからないじゃない。それとも何かの宗教をPRするためのもの? でなきゃ、心霊音を収録したものとか、何だか気味が悪いわ」
咲子がCDを手にしてそう言った。
「とても感じのいい方で、何かの勧誘を目的にしているようには見えませんでした」
竹内がそう言った。
「少し早いが、京都で食事をしてから帰ろう」
「賛成」
咲子はそう言うとCDを後部座席中央にあるボックスに入れた。

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