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はい。もしもし、こちら、夫婦円満本舗です。
第30章 『公開処刑の前日』

ONとOFFはキチンと
使い分けていると言う感じで
依頼人に対しての口調と、
高校の後輩である僕に対する口調は
全くの別人の様に違う。
『ええ、ありますよ。卯月先生。
今日は…この後何も予約は無いんで』
卯月が自分のネクタイに指を
引っかけてシュルとキッチリと
絞めていたネクタイを緩める。
掛けていた黒縁のメガネも
外してしまって胸ポケットに納めた。
「んじゃあ…好都合だ。鬼島に
聞いた話なんだけど…さ、茂木
ちょっと…変わった商売してるんだろ?」
『ええ、
元々ここは茂木探偵事務所で
興信所紛いの仕事もしますけど。
夫婦円満に関する
なんでも屋みたいなもんですよ』
夫婦円本舗の仕事どんな仕事って
言われたら…多岐に渡る為
これですって言葉にはしにくいけど。
夫婦が円満の過ごせる為に
僕に出来る色んな事をするのが
夫婦円満本舗の仕事であり
僕、茂木仁のモットーでもある。
『そんな話を…僕に振って来るって
言う事は……、先生も…ご夫婦の
事で…何かお悩み事でもおありで?』
「うちには…結婚して…
10年になる2歳年下の
妻が居るんだけどね……」

