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第30章 『公開処刑の前日』

性感マッサージのサービスを
提供している店によっては
この施術後のシャワーの時間を
料金が発生する
時間の中に入れている店が
ほとんどだけど、僕は
この施術後のシャワーの時間は
料金が発生するカウントには入れてない。

だから６０分のコースで
予約をしてくれたとしても
実際に本舗を出るのは
それに＋した時間になる。

身支度を終えた田中が
ヤリ部屋から出て来るのを待って、
本舗の玄関まで仁が見送りに行く。


『田中さん。本日は、
ご利用ありがとうございました。
またのご予約とご来店を
お待ちしております』

「はい、茂木さん。今日は
素敵な時間をありがとうございました。
また…来月も…お世話になります…」

『あの…、田中さん…。
僕がさっき田中さんにしたあの話、
また…良かったら考えておいて下さい』

「はい…、気に掛けて頂いて
ありがとうございます…。
…ちょっと…ゆっくりと…考えて
また…お返事を…させて貰います…」

田中がエレベーターに
乗り込むまでを見送って
仁が見届けると…本舗に戻って来る。

「仁さん、…お仕事お疲れ様でした」

『……あぁ、気が付いたら
…もう…こんな時間だね…。
通りで…お腹も空く訳だ。
適当に…ラーメンとかうどんとか
出前持って来てもらう？』