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生きること、思うこと
第379章 神様の話し

高橋さんの旦那さんは植木屋さんをやっておられます。
その道具なんどが玄関に散乱している状態だったのです。

私の父も大工だったのでそんなに道具が散らかっていても気になりませんでした。

「構いませんよ、私の父も大工で同じように道具などは玄関に散乱していましたから…」

そう言うと高橋さんは少し安心した様でした。
私は「お邪魔します…」と言い高橋さんのお宅にお邪魔しました。

そして、広いダイニングキッチンのテーブルの椅子に腰かけるようにと言われました。
席に腰かけたその時から、お互い堰を切った様に話始めました。

高橋さんは昔、双子のお子さんが居たらしいのです。
ですが、残念な事にその双子たちは幼くして亡くなってしまいました。

そこから高橋さんの苦悩は始まったのです。
多分、双子のお子さんを亡くされた時、高橋さんは色を失い全ての世界がグレーになったのだろうと私は想像出来ました。

心無い人からの批判なども受けたそうです。

「何で、双子たちは死んでしまったのだろう?」

そう思い、自分を責めたそうです。
そして深く悩んだそうです。

でも、高橋さんは少し時間が掛かった様ですが、双子のお子さんを亡くされた事を受け容れたのでした。

その時から、高橋さんは何があってもニコニコして生きて行こうと決めたらしいのです。
そしてこう言うのです。

「私はもう82歳だけれど、やがてこの世のお役目が終わって双子たちの所に行ったら、沢山この世での愉しかった事を話してあげようと思うのよ…」

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