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生きること、思うこと
第354章 返還

ですが、昼の12時を過ぎても城崎さんはやって来ません。
すると、城崎さんからメールが届きました。
「今、駅だから、これから電車に乗るから…」
私はこのメールを読んで驚いてしまいました。
昼の12時に駅に着くからと言っていたではありませんか。
私はちょっとムッとしてしまったのは言うまでもありません。
人間が出来ていない私は直ぐに腹を立てるのです。
駅前のベンチで何本の下りの電車を見送ったでしょうか。
12時半になってからでした。
ようやく、城崎さんらしい男性が改札を出てきました。
「ごめん、ごめん、遅くなっちゃって…」
私はそれを聞いてまたもやムッと来たのでこう言ったのです。
「30分は待たされたわよっ!!」
「ごめん、国会中継観てたら遅くなっちゃって…」
私はそれを聞いて益々ムッとしてしまいました。
国会中継と約束の時間を守るのとどちらが大切なのかと感じてしまったのです。
城崎さんはベンチに座ると直ぐに銀行の封筒を渡してきました。
「ありがとう、助かったよ。借りてたお金返すから…」
私はムッとしながらもその封筒を受け取りました。
中身を確認します。
貸した1万円が入っていました。
そこで、直ぐに帰っても良かったのですが直ぐに返すのもなんだろう。

