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ジッパー様
第10章 疑問
「いえ……、私がちゃんとやらないから……」


 どうして進藤さん、話しかけてくるの?
 片桐部長がそばにいるのに……。


「そうかな? 鈴村さん、入社してから真面目に頑張ってるじゃん。昨日だって、遅くまで部長の仕事引き受けてたし」

「……っ……」

「そういう所、あの人は見ていないんじゃないかな」


 進藤さんの言葉に驚いていると、バイブが突然動きだした。


「……んッ!」


 思わず声を出してしまい、慌てて口を押さえる。ヤバいと思って隣を見ると、進藤さんが怪訝な顔をしていた。


「なに? 急にどうしたの?」

「……なんでも……ないですっ……」


 バイブの振動は強弱をつけて小刻みに震える。そのせいで大きな快楽の波がすぐに迫ってきた。


「ふぅ、ん……ッ」


 荒くなる呼吸を我慢するも、ガクガクと足が震えて、私はコピー機に寄りかかった。





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