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flower
第3章 flower 2

そう出会いは五年前。
花と鳥が好きで穏やかな人。
石橋優哉を一言で言えばそんな男性であり、イメージ通りだと彼を知る誰もが頷くかも知れない。
ただ、少しだけ違うのは花を飾ったり、贈ったり、鳥を飼うなどという行為は一切しない。ふらりと立ち止まりその自然の姿をただ観るだけだ。もっと言えば特に詳しく訳でもなく、そこにスマホをかざしたりもしない。
ただ本当に呆れるほど観ているだけ。更に言えば、ひょっとして好きなの?と聞かなければきっと自ら話す事もないのだろう。交際して三ヶ月目、美里のちょっとした問いかけに優哉は恥ずかしそうに、それこそ鳥のように頷き、花のように微笑んでこう言った。
「気付いてくれたのは美里さんが初めてだよ」
今になって思えば、花や鳥を見つめる優哉の視線は憧れの人に出会えた少年のようにキラキラと晴れた湖面のようにそれは穏やかに輝き、美里を見つめる優しい陽射しのような視線とは明らかに違っていた。
ただ部屋に一冊だけ、それぞれの古い図鑑が本棚に埋もれてたのは強烈に覚えている。だが優哉がそれを開いていた記憶は一切ない。
二人はお互い友人に誘われたキャンプで出会う。
花と鳥が好きで穏やかな人。
石橋優哉を一言で言えばそんな男性であり、イメージ通りだと彼を知る誰もが頷くかも知れない。
ただ、少しだけ違うのは花を飾ったり、贈ったり、鳥を飼うなどという行為は一切しない。ふらりと立ち止まりその自然の姿をただ観るだけだ。もっと言えば特に詳しく訳でもなく、そこにスマホをかざしたりもしない。
ただ本当に呆れるほど観ているだけ。更に言えば、ひょっとして好きなの?と聞かなければきっと自ら話す事もないのだろう。交際して三ヶ月目、美里のちょっとした問いかけに優哉は恥ずかしそうに、それこそ鳥のように頷き、花のように微笑んでこう言った。
「気付いてくれたのは美里さんが初めてだよ」
今になって思えば、花や鳥を見つめる優哉の視線は憧れの人に出会えた少年のようにキラキラと晴れた湖面のようにそれは穏やかに輝き、美里を見つめる優しい陽射しのような視線とは明らかに違っていた。
ただ部屋に一冊だけ、それぞれの古い図鑑が本棚に埋もれてたのは強烈に覚えている。だが優哉がそれを開いていた記憶は一切ない。
二人はお互い友人に誘われたキャンプで出会う。

