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憂いの動物探偵
第1章 憂いの動物探偵
「依頼人は気付いているのではないでしょうか?」


さあな。そこは敢えて考えないようにしている。
まっ、居なくなったその場所にチラシがあるんだからおおよそ察してはいるんじゃないの?そんな偶然あり得ないしな。

「、、、、」
(まるでチラシならぬ脅迫状だ)

まるで脅迫状かって?

「いえ、、」

かもな。チラシには過去の事例をしっかりと載せているし。まっ、その辺りは読む人間の感覚なんじゃないの?ただ警察に通報された事は一度もない。だって、たかだが犬猫。警察(あいつら)だって暇じゃない。本腰入れて捜査なんてしやしないさ。

ピンポーン!




その時インターフォンが鳴った。
と、同時に先程まで饒舌だった中島と名乗った男は急に口を閉ざし、その目は明らかに警戒色に染まる。
(、、 やけに早いな)
中島と名乗った男は少し嫌な予感がした。
先程の依頼人にしては場所的に早すぎるのだ。
インターフォンにカメラは付いていない。
中島と名乗った男はゆっくりと立ち上がりそろりそろりと玄関の前。片目をつぶり覗き穴からその相手を凝視しながら観察する。
スーツ姿の男が立っていた。
(ポリではないな )
品があるし何より小柄だ。
そのスーツ姿の男は更にドアを叩く。
中島と名乗る男は観念して扉を開けジロリと睨みつけた。
「何だよ?さっきからうるせえよ!」
「あっ、菅間さま。大変申し訳ございません。私、このウィークリーマンションを管理していますマルヨシ不動産の山下と申します」
山下はその雰囲気を察して視線を反らしながら胸ポケットの名刺入れを探る。
「名刺はいい。で?」
「実は近隣の住民さまから動物の鳴き声がすると苦情がありまして菅間さまにお心あたりはございますか?」
「あっ、確かにたまに聞こえるよな。ただこの部屋じゃねぇよ。俺は犬も猫も嫌いだしね」
「でしたら少し確認させて、、」
「それは出来ない相談だね。今は大切なお客様が来客中だ。まっ、夜ならいつでもいいよ」
「し、しかし、、」
「いくら不動産屋とはいえ、そこまでの権利はないだろう?調べたいなら然るべき人物、、例えば警察でも呼んでこいよ」
「はぁ、、」
「あっ、警察だけじゃ無理だな。本当に呼ぶなら礼状も持参しろ、と間抜けなお巡りにでも伝えておけ。今日はわざわざご苦労さん」
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