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100のベッドシーン
第18章 書けなかった一行を、あなたがくれた
「……そんなこと言ってくれる作家さん、なかなかいません」

「じゃあ、僕は例外ですかね」

そう言って、彼が少しだけ笑った。

その笑顔が、なんだか胸をざわつかせる。

「……如月先生」

「遼でいいですよ。こんな時間にワインを飲んでるんです。肩書きは置いときましょう」

「……じゃあ、遼さん」

たったそれだけのことなのに、名前を呼ぶのがこんなに緊張するなんて。

「遼さんは、書けない時、どうしてますか?」

「……書けない時は、書かないです。無理に言葉を並べても、意味がないから」

「……いいですね。潔くて。私は、締切があったら、全部後回しにしてでも埋めようとしちゃう」

「それは……責任感ってやつですか?」
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