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100のベッドシーン
第17章 その瞳の奥に、恋を落とした夜
また来た、と思った。

朝のオフィス、席に着くと同時に隣から声をかけてくる、あの子犬みたいな男。

桐谷悠真、27歳。

入社して4年目の営業部の後輩。

仕事はできるし、明るくて誰にでも優しい。

女子社員に人気があるのも納得だけど──なぜか、私ばかりをターゲットにしてくる。

「神崎先輩、今日も髪、ツヤツヤですね。何使ってるんですか? 教えてください」

「それ聞いてどうするの。使わないでしょ、あなた」

「先輩のこと知りたいんですってば」

軽口に返す声も、冗談みたいに笑ってる顔も、何もかもがまぶしい。

まぶしすぎて、見てると苦しくなる。

だから私は、なるべく冷たくあしらうようにしていた。

「私に構わないで。仕事に集中したら?」
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