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100のベッドシーン
第15章 一夜の相手は、社長でした
「それなら、誰かと飲めばよかったのに。」

「誰かなんて……いないです。」

その一言が、ふたりの距離を決定づけた。


会話のあとは少しだけ、沈黙。

でも、その沈黙がなぜか心地いい。

ふと横を見ると、彼の指先が、真帆のグラスに触れた。

「名前、聞いてもいい?」

「……聞かないほうがいいかもしれません。」

「そうだな。」

名乗り合うこともなく、ふたりは店を出た。

タクシーの中。
沈黙のまま手が重なり、ホテルのカードキーを握らされた。

そして、誰もいない部屋のドアが閉まった瞬間――熱が弾けた。
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