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熱帯夜に溺れる
第4章 酔芙蓉の吐息

莉子の甘い身体を知ってしまった今はその衝動は以前にも増して強くなり、いつ何時でも彼女に触れたくてたまらなくなる。
「んっ……、はぁ……、んん……」
熱で苦しそうな莉子の寝息さえも、セックスの最中に彼女が発する甘い吐息に聴こえてくる。目をそらしたくてもそらせない莉子の生脚から、ありったけの理性を総動員してようやく視線を外しても次は莉子の寝息が耳に色っぽく残って離れない。
下半身の膨らみに気付いた純は失笑して項垂れた。熱で苦しんでいる恋人に発情するなんて本当に重症だ。こんな時にどうかしている。
抱きたい、でも今は抱けない。理性と欲望の葛藤を誤魔化して読書に没頭しようにも、小説の内容は少しも頭に入ってくれない。
どれくらいそうしていただろう。ベッドで身動ぐ気配がした。
「純さん……」
「起きた?」
「うん……」
けだるげに起き上がった莉子の背中に手を添える。彼女の身体はまだ熱かった。
飲み物を飲ませた後も莉子はまだ横にならない。パジャマの襟ぐりに触れた彼女は顔をしかめた。
「着替えたい。汗で濡れて気持ち悪い」
「寝てる間にたくさん汗が出たんだね。汗で冷えるといけないから、身体も拭いた方がいい。濡れタオル作ってくる」
「ん……。タオル、そこの引き出しに入ってるから……」
チェストの引き出しを開けてタオルを取り出す純の横を、おぼつかない足取りで莉子が通った。替えの下着を用意した莉子はまたふらふらと部屋を横切っていく。トイレに向かったようだ。
純はキッチンにあったステンレス素材のボウルを拝借し、水と氷を入れたボウルにタオルを浸した。水気を絞ったタオルは氷の冷気も相まってひやりと冷たい。
トイレを済ませて部屋に戻って来た莉子はベッドの隅でうずくまってしまった。少し動くだけでも身体が辛いのだろう。
「パジャマ、自分で脱げる?」
「んーん。脱がしてぇ……」
今日の彼女はとことん甘えん坊だ。バンザイをして待機する莉子の姿に不覚にも笑みが溢れる。
ワンピースタイプのパジャマとキャミソールを一気に脱がす。キャミソールは寝汗でぐっしょり濡れていて、こんなに湿っていては気持ち悪いのも無理はない。
「んっ……、はぁ……、んん……」
熱で苦しそうな莉子の寝息さえも、セックスの最中に彼女が発する甘い吐息に聴こえてくる。目をそらしたくてもそらせない莉子の生脚から、ありったけの理性を総動員してようやく視線を外しても次は莉子の寝息が耳に色っぽく残って離れない。
下半身の膨らみに気付いた純は失笑して項垂れた。熱で苦しんでいる恋人に発情するなんて本当に重症だ。こんな時にどうかしている。
抱きたい、でも今は抱けない。理性と欲望の葛藤を誤魔化して読書に没頭しようにも、小説の内容は少しも頭に入ってくれない。
どれくらいそうしていただろう。ベッドで身動ぐ気配がした。
「純さん……」
「起きた?」
「うん……」
けだるげに起き上がった莉子の背中に手を添える。彼女の身体はまだ熱かった。
飲み物を飲ませた後も莉子はまだ横にならない。パジャマの襟ぐりに触れた彼女は顔をしかめた。
「着替えたい。汗で濡れて気持ち悪い」
「寝てる間にたくさん汗が出たんだね。汗で冷えるといけないから、身体も拭いた方がいい。濡れタオル作ってくる」
「ん……。タオル、そこの引き出しに入ってるから……」
チェストの引き出しを開けてタオルを取り出す純の横を、おぼつかない足取りで莉子が通った。替えの下着を用意した莉子はまたふらふらと部屋を横切っていく。トイレに向かったようだ。
純はキッチンにあったステンレス素材のボウルを拝借し、水と氷を入れたボウルにタオルを浸した。水気を絞ったタオルは氷の冷気も相まってひやりと冷たい。
トイレを済ませて部屋に戻って来た莉子はベッドの隅でうずくまってしまった。少し動くだけでも身体が辛いのだろう。
「パジャマ、自分で脱げる?」
「んーん。脱がしてぇ……」
今日の彼女はとことん甘えん坊だ。バンザイをして待機する莉子の姿に不覚にも笑みが溢れる。
ワンピースタイプのパジャマとキャミソールを一気に脱がす。キャミソールは寝汗でぐっしょり濡れていて、こんなに湿っていては気持ち悪いのも無理はない。

