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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第67章 母と娘のステージ(第十部)
【おおおっー・・・。】

どよめきが起きる。

「本日はビップ様に限り、ご招待しております」

話しながら、香奈子に向かって左手を上げた。

「常連様ならご存知の筈です。そう・・・今、一番人気である矢島香奈子です」

客の反応を見ながら、今度は右手を圭子に向けて広げている。

「そしてぇ・・・・」

少し間を置いた後に、大きな声が響いた。

「本日、デビューしますっ・・・矢島圭子ですっ」

拍手と叫びが交錯する喧騒を、ムチの音が遮った。

黒尽くめの女が二度、三度と大きな音を鳴らしながら、圭子に近づいていった。

うつむいて肩を震わせている少女の顔を皮手袋の手が引き上げると、頬を流れ落ちる涙がライトに光る。

「う・・・・うぅ・・・」

圭子は心の底から怯えていた。

(ど、どうして・・・・わたし・・・?)

真っ白になった思考は何故、自分がこの場所にいるのか理解できないでいる。

涙で視界は霞んでいるが、ギラツイタ男達の表情は目に焼きついていた。

それは何度もうなされた夢のシーンと全く同じであった。

母の痴態が記録されたビデオ映像を盗み見た圭子は、あたかも自分が経験したかのようにリアルな悪夢に引き込まれてしまったのだ。

だが、これは夢ではない。

「あぅっ・・・・」

その証拠に肩先に打ち込まれたムチの鋭い痛みが、現実である事を残酷に告げていた。
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