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爛れる月面
第2章 湿りの海

「し、しない、だけだよっ……、わたしの、こと、大事に、してくれてる、もん……」
だからといって、徹が井上に劣るとは、断じて認めがたかったし、侮ることすら許せなかった。
紅美子の反駁に鼻を鳴らした井上は、一段と強く突き上げると、浮かせた体を投げ落とした。ヒップがシーツにバウンドする寸前、肉茎の抜けた股ぐらから、水しぶきが上がったのが見えた。噴射をかぶっても気にせず、尻もちをついた紅美子をを荒々しく引き寄せた井上は、脚を捻じり、強引に体を裏返してくる。
「や……、こっ、これ……、やだっ……」
ヒップを高々と掲げ、後ろへ差し出した恰好にされた狭間へと、肉槍の矛先が擦り付けられる。
「苦手、というか、不得意なのは知ってる。……憶えろ。いつか徹くんが、したい、って言ってくるかもしれないじゃないか」
「じゃ……、そん時、するっ……。よ、よけいな……」
「ということは、やっぱりしたことなかったんだな? 昨日言ってたことはウソか」
「……ぐっ」
昨晩も、井上に後ろから散々に貫かれた。バックスタイルだけではない、縦横無尽に、様々な体位を愉しまれた──いや、試された。中でも、これまで幾度となく交わっておきながら、恋人とはしたことがなかった後背位は、まずもって紅美子がその姿勢を取ることにたじろいでしまい、気を保つためには、あたかも慣れているかのように偽ったのを、この男はしっかりと憶えていたのだ。
「ま、バレバレだったがな。腰もアソコも、動きがてんでなってなかった。徹くんが失望する」
「……っ、と、徹は、……絶対、そんなこと言わないっ!!」
だからといって、徹が井上に劣るとは、断じて認めがたかったし、侮ることすら許せなかった。
紅美子の反駁に鼻を鳴らした井上は、一段と強く突き上げると、浮かせた体を投げ落とした。ヒップがシーツにバウンドする寸前、肉茎の抜けた股ぐらから、水しぶきが上がったのが見えた。噴射をかぶっても気にせず、尻もちをついた紅美子をを荒々しく引き寄せた井上は、脚を捻じり、強引に体を裏返してくる。
「や……、こっ、これ……、やだっ……」
ヒップを高々と掲げ、後ろへ差し出した恰好にされた狭間へと、肉槍の矛先が擦り付けられる。
「苦手、というか、不得意なのは知ってる。……憶えろ。いつか徹くんが、したい、って言ってくるかもしれないじゃないか」
「じゃ……、そん時、するっ……。よ、よけいな……」
「ということは、やっぱりしたことなかったんだな? 昨日言ってたことはウソか」
「……ぐっ」
昨晩も、井上に後ろから散々に貫かれた。バックスタイルだけではない、縦横無尽に、様々な体位を愉しまれた──いや、試された。中でも、これまで幾度となく交わっておきながら、恋人とはしたことがなかった後背位は、まずもって紅美子がその姿勢を取ることにたじろいでしまい、気を保つためには、あたかも慣れているかのように偽ったのを、この男はしっかりと憶えていたのだ。
「ま、バレバレだったがな。腰もアソコも、動きがてんでなってなかった。徹くんが失望する」
「……っ、と、徹は、……絶対、そんなこと言わないっ!!」

