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爛れる月面
第3章 広がる沙漠

どこまでが嘘で、どこまでが真実かわからなかった。どこまでを仕向け、どこまでを趨勢に任せたのかも。ただ、二十年前からの幼馴染で、十年前からの恋人で、まもなく『家族』になろうと約束した人に抱きしめられ、東京に戻るまでに考えていたすべての夢想は霞み、どうしてもかなぐり棄てられなかった卑劣な願いが、徹も、紅美子自身も騙しおおせてしまっていた。
「徹……」
胸の中の甘い安らぎと、ヘドロのような自己嫌悪が、紅美子を地に跪かせる。
「……ク、クミちゃん?」
「まだ、じっとしてて」
顔前に活きり勃つ、皺袋まで粘液に浸されている肉茎の根元を握ると、頭上から驚愕の悲鳴が聞こえた。顔を近づける素振りしただけで慌てふためいた手が抑えようとするが、どれぐらいの力で押し留めていいのかわからずに、ただ脳天に置かれただけだった。
「だっ、だめだよ、クミちゃんっ……!」
「だめ? どうして?」
「だ、だって、すごい……ヌルヌルで、き、きたない、から……」
「もうそのヌルヌルとやらを、めっちゃお腹にかけられたんだけど」息笑みを吐いて角度を下げ、湯気立ちそうな幹胴の熱気に頬を舐められながら、「ぜんぜん平気。したいの。……させて」
こんなことで、贖罪でもするつもりなのだろうか。自問しながら初めて含んだ彼の肉先は、触れるなり大きく弾んで唇から外れた。落ちてくる髪を耳にかけ直し、立膝になって亀頭の表面を舌で拭う。そのまま背を丸めて頬にふれるほど首を傾いで慈しむと、せっかく吸い取った粘液が、新たに溢れてきて指を濡らした。動かせばたちまち終焉してしまうので、四方に頭を巡らせ、優しく、丹精を込めて、肉茎を啄む。
「ク、クミちゃんっ……、クミちゃん……」
名を呼ぶばかりの恋人を見上げ、
「徹……」
胸の中の甘い安らぎと、ヘドロのような自己嫌悪が、紅美子を地に跪かせる。
「……ク、クミちゃん?」
「まだ、じっとしてて」
顔前に活きり勃つ、皺袋まで粘液に浸されている肉茎の根元を握ると、頭上から驚愕の悲鳴が聞こえた。顔を近づける素振りしただけで慌てふためいた手が抑えようとするが、どれぐらいの力で押し留めていいのかわからずに、ただ脳天に置かれただけだった。
「だっ、だめだよ、クミちゃんっ……!」
「だめ? どうして?」
「だ、だって、すごい……ヌルヌルで、き、きたない、から……」
「もうそのヌルヌルとやらを、めっちゃお腹にかけられたんだけど」息笑みを吐いて角度を下げ、湯気立ちそうな幹胴の熱気に頬を舐められながら、「ぜんぜん平気。したいの。……させて」
こんなことで、贖罪でもするつもりなのだろうか。自問しながら初めて含んだ彼の肉先は、触れるなり大きく弾んで唇から外れた。落ちてくる髪を耳にかけ直し、立膝になって亀頭の表面を舌で拭う。そのまま背を丸めて頬にふれるほど首を傾いで慈しむと、せっかく吸い取った粘液が、新たに溢れてきて指を濡らした。動かせばたちまち終焉してしまうので、四方に頭を巡らせ、優しく、丹精を込めて、肉茎を啄む。
「ク、クミちゃんっ……、クミちゃん……」
名を呼ぶばかりの恋人を見上げ、

