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シャイニーストッキング
第23章 ほつれるストッキング2       蒼井美冴と松下律子
 73 融ける夜(26)

「あぁ、りつこぉ、かわいいわぁ…」
 りつこのカラダの力が抜け、完全にわたしに身を委ねてきたのが伝わってきた…
 あ、いや、松下律子という大原常務秘書然とした彼女ではなく、ずうっと心の奥に隠していた本当のりつこ自身の、ううん、それは違うのかも…
 オンナなら誰しもが隠し持っている、メスの本能がようやく顔を出してきたのだと思われる。

 そうそれは、オンナなら誰しもが隠し持っているはずの、淫らなメスという本能…
 もちろんわたしだって持っているーー

 それを表に出すのは、色々な思いや経験、そして立場等々の個人差といえる違いがあるのだ…
 ただ、その違いは…
 りつことわたしは同じ一線の元にあったというだけのこと。

 そしてそれはわたしだからこそ分かり、理解し得るモノ…
 そう、ストッキングラブという性癖思考、そしてそれはヤツ、彼、大原浩一というオトコに植え付けられ、染み込まされた性癖嗜好。

 わたしは、亡きゆうじというオトコに擦り付け、植え付けられ、染み込まされたーー

 だから、わたしには解るんだ…
 そう、わたしにはこの松下律子という、魅力溢れ、魅惑的なりつこの心の奥深くまで理解できるのである。

 そしてその本当のりつこというメスの存在は、このわたしの指先によりストッキングをほつれ、綻ばせ、破く事により…
 こうして表に露にし、現せられた。

 だってそれは全くわたしと同じだからーー

 普段のわたしは、このストッキングという存在を穿く事によって、抑え、隠し、ううん、隠せている…
 そしてこのストッキングという存在に自分自身の象徴として重ねているのだ。

 それはつまりは、お化粧と同じーー

 より美しく見せて、オトコ達の想いや視線、昂ぶり、欲望を集め、魅せる…
 そしてそれがわたし自身のプライドとなり、美の象徴となっている。

 だが、このストッキングは…
 魅惑さや、美しさを求めれば求める程に、薄く、そしてより繊細な存在となる。
 
 それだけにこの存在感はとても脆いーー

 わずかなほつれからの綻びにより、その美しい存在価値は、瞬く間に無くなってしまうのだ…
 だから、それ故に、わたしはこのストッキングに爪先を立たせ、綻ばせ、破いたのだ。

 そしてその小さな綻びにより…
 本当のりつこを露わにできたのである。

 
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