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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1        佐々木ゆかり
 43 さすがの美冴…

「さぁ杉山くん、チャレンジしてきなよぉ」
 わたしは、煽る…
 いや、できれば本当になんとかなってほしい。

 だが、この杉山くんでは、役不足――

「あっ、うわっ」
 すると、杉山くんが小さな声を上げた。

「え?」

 その杉山くんの視線を追うと…

「……っ」
 
 それは…

「あぁ…」

 なんと、伊藤敦子が、にこやかな笑顔を浮かべ…
 松下秘書に並んで座っていたのだ。

「あっ、な、なんすか、あの二人は…」

 それは、杉山くんの…
 羨望の声、いや、呻き声にも聞こえる。

「なんて……あ、いや、二人、なんとなく、似てるっすね…」

「………」

「あ、ヤバ…」
 これは、鈴木くんと、美咲ちゃんのの声。

「………」
 そしてわたしは、ドキドキと、高鳴りが止まらない…
 だって…

「うわぁ、あの二人、本当に似てますねぇ…」
 と、美冴さんが、わたしの心の声を呟いてくれたのだ。

「え、あ、み、美冴さん…」

「あ、大原常務は越前屋さんに任せてぇ、松下秘書には、伊藤さんと健太に囲わせてきましたぁ…」

「え、囲わせ……て?……」

「………ま、とりあえずですよ…ね……」

 本当に、敦子の隣に、健太もいる…

 そして、何かを話し掛けていた。

「あ……」

「…とりあえずね……」

 それは、わたしにとっての、助け舟――

 決して、あの、シャネルのカラクリ等は、知る由もないであろうが…

 いや…

「松下秘書の香りってぇ…
 昨日とは、違ってますよねぇ……」

「………」

 美冴さんは、分かって、ううん、気付いてくれているみたいだ…

「あ…」

 さすがは、美冴さん…

 わたしは、美冴さんを見つめ、頷いた。

「同じシャネルでも…違いますよね……」

「あ…う、うん…」

 話したい…

 美冴さんに、すべてを話したい――

 だけど、ここでは…

「………」

 すると、美冴さんは、逸らずに見つめ…

「………」

 人差し指を、自らの唇に立てる…

「………」

 うん、後で…

 わたしは、この頼もしい存在に、思わず涙が出そうであった――

 
 
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