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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
8 開かないドア…
だが…
その、ドアは、開かなかった。
ジャーーー
今日の揺らぎを…
鼻腔の奥に残っている、松下秘書のシャネルの香りを…
この、シトラス系の香りのボディシャンプーで清めるかの様に、洗い、流しながらも…
まるで背中に耳と目があるかの如くに、意識を張り詰めていたのだが…
ドアが開くどころか、ドレッサールームの物音ひとつ聞こえなかった―――
昨夜は…
『えつは寝たら起きないから』
ドアが開いたのに…
『えつを寝かせますね、シャワーお先に…』
きっかけ、なのに…
開かなかった。
「ふうぅ…」
昂ぶり…
戸惑い…
ドレッサーの鏡から、見つめてくるわたしの目が…
揺れている。
カタ――
「…っ…………」
リビングからの、微かな音に、震えてしまう。
「はぁぁ……」
ドライヤーを当て…
化粧水をなじませ…
寝支度を整えても…
ドアは、開かない―――
「……………」
わたしは静かに、浴室から出て、リビングへと向かう…
「……………」
リビングは、すっかり片付けられ…
でも…
敦子はいない。
「……………」
もしかして、越前屋さんを寝かせ、敦子も、寝てしまったのだろうか…
わたしは、敦子の部屋の、閉まったドアを見つめ…
「ふうぅ…」
ため息を漏らしてしまう。
今夜は…
今夜こそは…
敦子が、欲し…………かった。
敦子に、受けとめてもらい…
ううん…
心の隙間を、計りたかった……から。
「……………」
だけど…
自分からは…
求められない。
まだ…
「……はぁ……ぁ………」
再び、目が潤み…
鼻の奥が、鳴く。
わたしは、いつから、こんなに弱くなったのだろうか…
「……ぅ………」
溢さないように…
いや、零してはダメだと、唇を噛みしめ…
鼻が緩み…
上を向く。
「………………」
いや、弱くなったんじゃない…
これが、普通の…
普通の女なんだ。
わたしは、弱くはない―――
だけど…
心の隙間の広さに震えながら…
ガチャ――
寝室のドアを開ける。
「…………っ」
ベッドの上で…
敦子が…
わたしを見ていた―――
だが…
その、ドアは、開かなかった。
ジャーーー
今日の揺らぎを…
鼻腔の奥に残っている、松下秘書のシャネルの香りを…
この、シトラス系の香りのボディシャンプーで清めるかの様に、洗い、流しながらも…
まるで背中に耳と目があるかの如くに、意識を張り詰めていたのだが…
ドアが開くどころか、ドレッサールームの物音ひとつ聞こえなかった―――
昨夜は…
『えつは寝たら起きないから』
ドアが開いたのに…
『えつを寝かせますね、シャワーお先に…』
きっかけ、なのに…
開かなかった。
「ふうぅ…」
昂ぶり…
戸惑い…
ドレッサーの鏡から、見つめてくるわたしの目が…
揺れている。
カタ――
「…っ…………」
リビングからの、微かな音に、震えてしまう。
「はぁぁ……」
ドライヤーを当て…
化粧水をなじませ…
寝支度を整えても…
ドアは、開かない―――
「……………」
わたしは静かに、浴室から出て、リビングへと向かう…
「……………」
リビングは、すっかり片付けられ…
でも…
敦子はいない。
「……………」
もしかして、越前屋さんを寝かせ、敦子も、寝てしまったのだろうか…
わたしは、敦子の部屋の、閉まったドアを見つめ…
「ふうぅ…」
ため息を漏らしてしまう。
今夜は…
今夜こそは…
敦子が、欲し…………かった。
敦子に、受けとめてもらい…
ううん…
心の隙間を、計りたかった……から。
「……………」
だけど…
自分からは…
求められない。
まだ…
「……はぁ……ぁ………」
再び、目が潤み…
鼻の奥が、鳴く。
わたしは、いつから、こんなに弱くなったのだろうか…
「……ぅ………」
溢さないように…
いや、零してはダメだと、唇を噛みしめ…
鼻が緩み…
上を向く。
「………………」
いや、弱くなったんじゃない…
これが、普通の…
普通の女なんだ。
わたしは、弱くはない―――
だけど…
心の隙間の広さに震えながら…
ガチャ――
寝室のドアを開ける。
「…………っ」
ベッドの上で…
敦子が…
わたしを見ていた―――

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