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シャイニーストッキング
第22章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
ほつれる――
縫い目・編み目・糸などがほどけて崩れること…
構造が崩れ始める『初期段階』
崩壊ではない、しかしもう元には戻らない状態。
「まだ越えていないが、越え始めている」
ほつれる――
壊れてはいないが、もう元の形を保てない状態の始まり…
ストッキングのナイロン繊維が引っかかり、ほんの僅かな、一本の糸が緩むと…
そこから伝線が広がっていく。
シャイニーストッキング――
艶ややかに、煌めくストッキングは…
美しければ、美しいほど…
薄くて…
脆い―――
そして、その美しいストッキングは…
例え、ほんの小さなほつれでも…
その存在価値は…
ゼロに等しく…
堕ちてしまう―――
1997年8月21日木曜日午後――
ついに、佐々木ゆかり、蒼井美冴の二人は、本社内で、まこと密やかに、都市伝説と噂されている程の存在である…
常務専属秘書 松下律子と、常務室で対峙した。
そして、その対峙によって、大原浩一常務と、松下秘書との、二人の関係が見て取れたのだ…
いや、それは、間違いのない…確信。
佐々木ゆかりは、その事実の確信に激しく揺らぎ…
蒼井美冴は、驚きを通り越して、呆れてしまい…
松下律子秘書は、佐々木ゆかりと蒼井美冴の二人の魅惑さに揺れ…
自らの象徴とまで称する、ストッキングの僅かなほころびからの伝線に、心を激しく震わせ…
独占欲の昂ぶりの衝動により、自ら律した、禁忌を犯し…
常務室で、大原浩一常務との禁断の逸脱をしてしまい、心に小さなほころびを生じさせてしまう。
その夜…
不思議な因果の導きにより、三たび、蒼井美冴と大原浩一常務の二人は、不確かで偏執的な愛情で結ばれた。
そして、佐々木ゆかりは…
大原浩一常務の浮気…
いや、もしかしたら、完全なる心移りを自覚し、焦燥の想いに墜ちていくのだが…
なぜか…
心の傷が、さほど深くないという違和感を感じ…
そして、帰社時…
伊藤敦子という新たな存在を目にした瞬間に生じた、秘かな昂ぶり……
に、戸惑いに、揺れ始めていく。
小さなほころびから生じる、ストッキングのほつれ……
それは、どこまで広がるのか―――
ゆっくり、読んでいただければ、幸いです……
悠里

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