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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 31 裏切りの決意…

 彼、大原常務は…
 いや、大原浩一というオトコは…
 
 ゴクゴク…
 ロックグラスに残ったバーボンを一気に飲み干し…
 トン…と、その空になったロックグラスを、板張りの木目調のテーブルに勢いよく置いた。

 すると…
 中の丸氷がコロン…と、澄んだ音を鳴らして小さく踊る。

 そして…
「ふうぅ…」
 と、小さく吐息を漏らし、わたしの目を見つめてきた。

 その彼の目の奥には…
 どうやら、ようやく、わたしへの想いの決意の色が伺え…

 カチャ、シュボ…
 ジッポーライターの冷たい金属音を奏でてタバコに火を点け…

「ふうぅ…」
 そう煙をひと息吐き、ゆらゆらと漂い流れていく煙の揺らぎを見つめ…

「…だよなぁ……」
 と、まるで自分に言い聞かせるかのように呟いたのだ。

 そしてゆっくりとその漂う揺らぎを目で追いながら、その流れの先にあったわたしの目を再び見つめ…

「うん、よしっ、出るかっ」
 と、ハッキリとした声音で呟いた。
 それはおそらく、彼の、オトコ、男としての決意の声。

 そして、頷くわたしの目を見つめながら、タバコを灰皿に揉み消して…
 わたしの肩を抱くように支えて立ち上がった。
 
「さ、出よう…」
 
 それは、開き直りと裏切りの決意のコトバ…
 ゆかりさんに対してであり…
 松下秘書に対してでもあり…

 そしてそれは…
 わたしの愛と独占欲を満たす欺瞞のコトバ。


「ごちそうさま…」

「………………………」

 二人一緒に店を出る…
 こうなると、オーナーであるノリくんの、今夜の不在は気を遣わずに済んでかえってよかった。

 以前ならば、二人の関係を悟られないようにと、別々に店を出て、徒歩5分にも満たない、あの、いつものホテルへ…
 そう、今夜で三度目の…
 いつものホテルへ。

 外の…
 夜の外気が心地よい。

 コツコツコツ…
「……………」

 カツカツカツ…

「……………」

 わたしたちは無言で、革靴とヒールの音を舗道のアスファルトに響かせながら歩いていく…
 そしてわたしは彼の後ろから…
 下を向き、彼の背中に頭を押し付け、黙って後を付いて行くように歩いていく。

 そう、今さら…

 わたしたちにはコトバはいらない………




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