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シャイニーストッキング
第21章 もつれるストッキング5   美冴
 30 開き直り

『ねぇ、抱いてよ……』

『アナタをゆかりさんから盗っちゃえば、奪っちゃえばよかった…』

 そう云わしめさせる、この自律神経の暴走を、いや、おそらく私が誘発させてしまった今の美冴からは…
 もう抗えないし、そして、逃げることも許されない。

 それは、私、大原浩一というオトコとしての責任感であり…
 まるで、あの夜のデジャヴのように導かれた因果の流れからは逃げることは絶対に許されないと…
「そうだよな…こうなったらさ………だよな…」
 開き直るしかなかった。

 そうだよな…

 ゴクゴク…

「ふうぅ…」

 ロックグラスに残ったバーボンを一気に飲み干し…
 喉元を流れるバーボンの冷たさと、アルコールのジリジリとした胃の熱さに、現実というリアルを実感し…
 傍らに座る心の暴走に揺れ、濡れている美冴の不惑で妖しい目を見つめ…

 大原浩一として…

 自分として…

 オトコとして…

 責任と覚悟を決め、開き直った。

 そして指先から感じている、美冴特有の妖しいストッキングフェチという性癖の淫らな熱。
 
 それにより一瞬だけ浮かんだ最後の迷いの残滓が揺れ…
 ゆっくりと静まり、消えていった。

 カチャ、シュボ…
 ジッポーライターでタバコに火を点け…
「ふうぅ…」
 と、煙を吐き、流れていく煙の揺らぎを見つめ…
「…だよなぁ……」
 自分に言い聞かせるかのように呟いた。

 あの夜も、いや、今夜も…
 きっかけは…
 このタバコの揺らぎ…
 まるで二人を導くように漂い流れる。

 あ…
 その揺らぎの流れを見つめ、追ったの先に美冴の…
 蒼く、潤んだ目があった。

 よしっ…
 私は覚悟を決めた…
 そして、完全に開き直れた。

「うん、よしっ、出るか」

 私はタバコを灰皿に揉み消し、頷く美冴の肩を抱くように支え…
 店を出る。

 外に出ると、お盆を過ぎてようやく涼しくなった夜風が頬を撫でるようにそよぎ…
 夜空を見上げると、蒼く光り、鋭く細い三日月が二人を見下ろしていた。


 そう、その三日月は…

 まるで美冴の心のように鋭く抉れ…

 欠けていた………




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