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シャイニーストッキング
第20章 もつれるストッキング4     律子とゆかり
 127 誘い(3)

「はぁぃ、もちろんですぅ、だってぇ、松下秘書さんも『新プロジェクト企画』メンバーの一員の様なモノなん、あ、いや、正式なメンバーなんですからぁ」

「え、わたしも正式なメンバーなんですか?」

「そう、もちろんですよぉ…
 だってぇ『新プロジェクト企画』の最終責任者は大原常務なんですからぁ、そしてぇ松下さんはぁ、その専属秘書さんなんですからぁ…
 それは正式、正当なメンバーということになるんじゃないんですかぁ…」

 さすが越前屋さんである…
 少し的外れ感は否めないが、いや、逆に至極最もな意見にも聞こえてくる。

 そしてやはり彼女が、この先の、このわたし達を…
 いや、この『新プロジェクト企画』の全てを担い、いいや、この生保会社の再生と再建や、この先の更なる発展の責任を一心に背負っていくに違いない…

 そう、まるであのジャンヌ・ダルクの様に、改革と革新の先駆者となる人物なのだろう…
 と、この時、わたしの目にはそう写ったのである。

 だけど、せっかくの越前屋さんの誘いではあるのだが…

 この松下秘書がわざわざ大原常務をわたしに接近させるわけもなく…
 ましてや彼女自身も参加をし、今まで保ってきていた秘密的なベールを脱ぐようなマネを、自らを晒し、再びわたしとも最接近する選択をするとは考えられない。

 わたしだったら…

 わたしが松下秘書の立場であったなら…

 できれば今後、この先、わたしとの接近は出来るだけ避けたいから…

 できるだけ関わりたくないし、そして、彼とわたしを関わらせたくはないから…


 でも…

 だけど…

 そして…

 わたしの本音ももちろん…

 彼、大原浩一常務には来て欲しいけど…

 いや、来てもらいたいし、そしてちゃんと話しをしたい…

 わたしとの関係の、ううん、愛の再確認、再認識をしたい…

 
 だけど…

 だけど…

 この松下秘書とは…


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