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Memory of Night 2
第47章 春の訪れ

「久しぶり。待っ……」

 千鶴の車のドアを開け、待った? と声をかけようとした宵の動きが止まる。

「久しぶり。ーー何してんだ、さっさと乗れ」

 後ろから車もきていた。路肩に停めていたため横を通れはするが、ドアを開けたまま突っ立っていたら確かに邪魔だ。
 宵は慌てて助手席に乗り込んだ。
 今日は秋広と桃華の墓参りに行く約束をしていた。午前中志穂に会いにいく話もしてあったので、マンションの住所を教えて、終わったら連絡し、迎えにきてもらうことになっていた。
 電話やメールで何度か連絡は取ったが、こうして千鶴に直接会うのは東北の病院以来で、およそ三ヶ月ぶりだ。

「墓の住所は?」
「知らね」
「は? じゃあどうやって行くんだよ」
「最寄りの駅まで行ってくれればそっから真っ直ぐだよ」
「じゃあさっさとナビ入れろ」

 顎で示されるまま、宵はカーナビに駅名を入れる。小さな無人駅だった。
 横柄な態度と口調はもちろん千鶴のままだったが、見た目が驚くほど変わっていて、一瞬別人かと思った。そんなはずはないのだが。

「……その格好」

 指摘しようとした瞬間、不機嫌そうに睨まれる。
 千鶴は白いレースのついたワンピース姿に、薄いジーンズ生地のジャケットを羽織っていた。前のように、ヒョウ柄やレザーのパンチの強い服装からだいぶ様変わりしている。
 メイクもそうだ。目のまわりを黒く囲い、真っ赤な口紅を塗っていたのに、今はもっとナチュラルだった。ラメの入ったブラウンのシャドーと眉のみのようだ。
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