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息子の嫁
第6章 デート(温泉編)
バイキング料理が食べられると知り不満げだった彼女にも笑顔が戻り、にこにこしながら良く喋った。

「お義父さん。お泊まりじゃないって私達、何時頃まで居るの?」

「バイキング料理は宿泊するお客さんだけしか食べられないから、宿泊で部屋を取るけど麗奈さんは出来るだけ遅い時間に帰る方がいんだろう?」

「うん。」

「じゃあ、夜中まで一緒に過ごそうか?」

「うん。嬉しい!!ありがとう。お義父さん。」

「私へのお礼なら麗奈さんが、いっぱい楽しんでから言って?」

「うん。私、楽しみ……。」

息子は今日、野球だった。その後は、きっと野球仲間と飲むだろうし別に早く帰っても家には私達、二人だけで、彼女が云う暗くなるまでは帰りたくないんだと云った意味を私は考えてた。

が、私にもその答えがみつかった。想い違いかもしれないが彼女は、誰にも邪魔されない所で私と、出来るだけ長く一緒に居たかったのではないかと。

「温泉って言ったら麗奈さん何か、不満げだったから喜んでくれて良かったよ。」

「ごめん。私、お風呂に入るだけで帰るのかなって思ってたし部屋を、取ってくれるって知らなかったから……。」

「そうだよな。温泉って発想をする事、じたいが私も年を取ったって事かもな?」

「お義父さんは、まだまだ元気じゃない。年寄りじゃないから……。」

何故か彼女が、そのことに過剰なほどの反応をみせた。

「そうか?」

「そうよ。私を膝に乗せ、抱っこした時だって元気に私の、お尻を押してたじゃない……。」

「知ってたのかい?」

「うん」

私に、そう返事をした彼女の頬は、熱を帯びたように赤かった。片側一車線の高速道路から下り、東北自動車道に乗り変え走った。
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