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息子の嫁
第24章 最終章
病院を離れ、彼の道案内で彼の家に向かっても、何処をどう走ったのかさえ覚えてなかった。

家に着き熊谷さんが玄関のドアを開けた。


「ばあさん、お客さんだよ。」

彼が云い私を、家の中に招き入れられた。


「どうだった?」

彼の奥さんが私に訊いた。

「一週間程度の検査入院だそうです。」

その後、居間に通され二人が座った。

改めて私は、二人にお礼を云い名前を名乗った。


「ばあさん熱燗を持って来てくれ。立花さんも飲めるんだろう?」


そう彼に訊かれたが私は、自分の家に帰るつもりでいた。

その事を彼に話すと「馬鹿もん。」と叱れた。

「あんた、さっきの運転で帰ったら事故るよ。違うかい。ふらふらして危なっかしくて帰せるか馬鹿もんが。」


そう叱られた。


「あんたが、あたふたした所で、どうなる物でも無いだろう。違うかい?黙って今夜は私の家に泊まりなさい。」

彼の、大きな声が部屋に響いた。

大きな声で叱られ、酒も勧めたが私に事情を聞こうとはしなかった。


「これは秋田の、酒だから呑んでみろ。」

そう云い私に、オチョを手渡し酌をした。


「美味しいです。」

「だろう…。私は夏でも熱燗なんですよ。立花さんは?」

「私も夏でも熱燗です。」

「そうかい。気が合いますなあ。」

彼が機嫌を直した。

その後、私が彼に酌をし勧められるままに私も呑んだ。

お酒も進み彼と打ち解けた頃、私は自らこちらに来た事情を話した。

「ほう!この村に移住を考えてねえ…ー。ばあさん…。立花さんが、この村に移住するかも知れないから、お前もここに来て話しを聞いてやれ。」

彼に呼ばれ、テーブルを挟んで奥さんが座った。
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