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息子の嫁
第23章 新天地に想いを馳せて

疲れて、すやすやと小さな寝息を立て彼女は、眠ってた。
この穏やかな眠りと、これから産まれてくる命を守って上げるのが、これからの役目であり仕事だった。
私は、既に移住先を決めてた。が、その事は未だ彼女には話してなかった。
仕事を辞め、出来れば彼女と例え、数日でも一緒に楽しい時間を過ごしてやりたかった。
これまで彼女は、閉鎖的な暮らしを余儀なくされ寂しかっただろうと私は、出来るだけ彼女をこの数日間を費やしてでも癒して上げようと考えてた。
産まれて来るだろう私達の、子供の事を考えると一日も早く、移住先を見付けなければとも考えてた。
彼女が見た夢の中に大きな杉の木と近くに山があった事を考えると、その場所とは秋田県の何処かではと、ずっと考えてた。
過疎地の市町村では、住むことを条件に報奨金を用意してる所もあり、その市町村で様々な工夫がされ、住む家と仕事を優先的に斡旋してくれる市町村もあった。
仕事の合間に、パソコンで私なりに色々、調べてたが、それを私は未だ、彼女には話してなかった。
彼女の可愛い寝顔を見ながら未だ見ぬ新天地に想いを馳せ色々、考えてた。
「駿…。眠れないの?」
そう私に云い、彼女が目を覚ました。
「起きたのかい?」
「うん。駿は悔しくて眠れないの?ごめんね…。私――今夜は駿を慰めて上げようって決めてたのに疲れちゃって…。駿――ごめんね…。」
「さっきも言っただろう…。セックスだけが夫婦じゃないって…。」
「でも私――」
「ありがとう。麗奈…。大丈夫かい?」
「ぐっすり寝たから…。」

