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息子の嫁
第14章 婚約指輪
それが実家から帰った彼女が私に、見せた始めての笑顔だった。

注文した品々と、追加で注文した大ジョッキに入った、生ビールが私達のテーブルに届けられた。


「私だけ、ごめんね…。」


その後、小さなグラスに注がれた私の、グラスと彼女の大きなグラスをコツンと合わせたが彼女は、大ジョッキを両手で持ってた。


「大丈夫かい?」

「飲めるけど凄く重い…。」


そう言い、ジョッキを両手で持ちあげ飲んだが、その姿がまるで幼い子供が、ジュースを飲む時のようにも想え私は笑った。


「お義父さんが、やっと笑ってくれた…。」

そう私に云い彼女も笑った。


「麗奈が可愛いから、つい笑ってしまったんだ…。」

「あらっ!それって褒めてるの?」

「そうだよ麗奈は可愛いなって…。」

「私は、何時も可愛いんだけど…。」


これには私も、声を上げ笑ってしまった。

出掛けるのに蛍光灯の小さな電球は、つけたまま部屋を暗くしない等、気をつかって来た。

まさか今夜、ラブホテルに泊まる事になろうとは全然、考えてもいなかった。

飲んだり食べたりし楽しい、一時を過ごして居ると次第に私達だけが、この店に居るような錯覚さえし最初は、うるさいと想ってた店内の話し声も次第に気にならなくなり、テーブルに置かれた品々を完食した。


「麗奈…。足りなかったら注文するけどどうする?」

「私、ビールも飲んだし、もうだめ…。」


彼女が言った。

彼女が満足し私も、もう無理だったので席を立ち精算し店を出て車に戻った。
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