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息子の嫁
第12章 世間の目
彼女の口から、不倫カップルと言う言葉が出た後の私達には暫く、重苦しい沈黙の時が流れた。

その後、最初に声をあげたのは彼女だった。


「お義父さん…。今日は、どのくらい買ったらいいの?」

「そうだな…。一週間位、食べられるくらいは買おうよ?」

「一週間分って何時も私――食べるくらいしか買わないから想像出来ないの…。」

「じゃあ、クーラーボックスを二個持って来たから食べたい物を、手当たり次第に買おうよ…。お肉はフリザーに入れて冷凍しておけるし…。」

「そうね……。」

「カゴは私が持つから麗奈は、どんどんカゴに入れて…。」

「分かった…。」


目的の町までは私の家から車で約、40分程かかった。

この町は、私の町とは段違いで人口も多く、大きなスーパーが何軒もあった。

その、一つを選び駐車場に車を停め、スーパーの中に入り食料品を買い漁った。

彼女が、選び私が精算を済ませ車のトランクに置いてあった、クーラーボックスに運び込む、そんな事を何度か続け今日の買い物が終わった。

買い物が終わり彼女と、二人で何か美味しい物を食べたかったが誰かに一緒の所を見られるのを恐れ私は彼女に、そうして上げられなかった。

買い物が済み、真っ直ぐ家路へと車を走らせた。

彼女は来た時と同様、助手席に乗り座席を後ろに倒した。


「お義父さん」

「なんだい?」

「殻つきの、ホヤ買ったから帰ったら作って上げるからね…。」


彼女が言った。
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