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息子の嫁
第8章 噂(うわさ)
こんな状態の彼女を、独り残し私が仕事に行く事は出来なかったが

息子の、不祥事が父親の私に、多少なりとも影響するだろうとは想ってはいたがこれ程までに、影響を与えようとは正直、考えてもいなかった。

職場の上司に、今日は休むと伝えると上司も既に智輝の話しを知っていた。

嫁が寝込んでいる事を話すと一週間、有給休暇を取るように言われ私は、それを受け入れるしかなかった。

それは事実上の謹慎だった。

今日もしくは明日まで休みを取れば、そう考え職場に電話をしたのだったが私への対応は、厳しいものだった。

それは私が、公務員だったからなのだろうと諦めるしかなかったが、やはり悔しさはあった。

市民の、模範で居なきゃならない公務員の、息子が他所の女とかけおちをした事で、好奇心から私達二人が見られ続けられる事が私は怖かった。

暗い顔をし部屋に戻るわけにはいかなかった。

私自身、何かをしてないと他の事を考えてしまうようで彼女に、お粥を作って上げよう、そう想い作り始めた。

彼女は、昨日から何も口にしてなかった。

取り敢えず私は、彼女に何か食べて欲しかった。

先ずはそこからだった。

自分が、一週間休んでも仕事に支障がない事を私は、想い知らされていた。

彼女が、私を必要としているのに比べ職場では、私が居ようが居まいが私の代わりを誰かがするのだと、それで支障が出ない程度の、仕事だったとは今まで、そんな風に考えた事もなければ、そう言う風に思ったことすらなかった。

グツグツと音を立てお粥が出来た。

梅干を、食べ易いよう小さく刻み部屋へ戻ると彼女は眠ってた。
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