この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
飛べないあの子
第5章 EpisodeⅤ
十二月になると受験直前ということで多忙を極める。忙しくなり、慧の家に行くことがなかなか出来なくなっていた。

本当なら忙しくなる前に慧との関係をはっきりさせたかったがタイミングを逃してしまった。入試のシーズンに突入してしまったら気持ちの余裕もなくなる。
慧の方もそれを理解しているのか、しつこく誘うようなことはなかった。

年末年始の休みは大晦日から二日までの三日間で、凛は大晦日には毎年実家に帰ることになっていた。二日の朝に帰ってきて慧の家に行くという話になっていた。

二日に会った時にもしかしたらお互い気持ちを伝えあうかもしれないが、とりあえず今は目の前の仕事に集中しようと気を引き締めた。



大晦日――。

凛は昨日までの仕事の疲れを引きずりながら、重たいボストンバッグを持って実家に向かう電車に乗っていた。
懐かしい景色が流れていくのを眺めながら、慧のことを想う。

慧は当然のように年末年始は実家に帰らないと言った。
凛も喜んで帰省しているわけではなかった。
母とは見合いの件以来険悪で、せっかくの正月休みを母のご機嫌取りに消費するのかと思うと、気が重くて仕方なかった。

最寄りの駅まで姉の望が迎えにきてくれていた。
大きなワゴン車に乗り込む。姉が予約した店で夜ごはんを食べてから実家に帰る予定なのだ。

「凛、お帰りー。お疲れー」
「うん」

姉の子供二人がしきりに凛にクリスマスプレゼントのお礼を言って、何がどう素晴らしいのか同時に説明しだす。凛は笑って二人の頭を撫でた。

「ほら、お母さん。凛帰ってきたよ」
「・・・・・・・・・」

母は助手席に座ってこちらを見ようとしない。
また新しいワンピースを買ったみたいだ。母はみすぼらしい格好をしたくないと外見を特に気にする。父が亡くなってからも節制などせず、ちょくちょく洋服や宝石を買っていた。

「お母さん、ただいま」
/90ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ