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第25章 危険な誘惑（2）

洋太がドキドキしていると、彼女は「あっ・・・」と小声でつぶやき、瞬きを一度だけすると、瞳を柔らかいものへと一瞬で変貌させ、口角をあげて白い歯を見せた。


佑奈「洋太さんですか？佑奈です」


洋太「そうそう！よかった無事会えて・・・」


佑奈「すぐ分かりましたか？」


洋太「あ、ああ・・・。少し探したけど・・・！」


佑奈「これだけ人が多いとなかなか見つからないですよね笑」


佑奈はそう言うと愛らしい笑顔でクスリと笑う。


目の前で見る佑奈の美貌は物凄かった。
思わず洋太は彼女の目線から目を逸らしてしまう。


周りの連中からチラチラと見られているような気がする。
こんな美しい女子に人生で出会った事は無い。
本当に今からデートするのだろうか、いやできるのだろうか。


彼女があまりにもレベルが高すぎて自分とではデートというものが成立しないような気がする。


佑奈「お昼どこでもいいですか？」


洋太「あ、うん、どこでも」


佑奈「わたし前から行きたかったところがあって、そこでもいいですか？」


洋太「じゃあそこで」


佑奈「あっちです」


佑奈がものすごく綺麗な手で右の方向を指すと、2人並んで歩き始めた。


カツカツと小気味のいい足音が佑奈の足元から聞こえてくる。靴の種類は分からないが、ブラックのスタイリッシュなデザインで彼女には間違いなく似合っている。


佑奈「背高いですね。何センチですか？」


洋太「えっと180だよ」


佑奈「180！大きいですね」


洋太「でも部活だと普通くらいだよ」


佑奈「アメフト部でしたよね。アメフトってやっぱり大きい人が多いんですか？」


洋太「結構デカイヤツが集まってるよ」


佑奈「スポーツいいですね。素敵・・・」


洋太は「素敵」という言葉を聞いて思わず佑奈を見る。
ニッコリとした表情で、下から見上げるような視線でこっちを見ていた。


さっきまでのぎこちない会話の間ずっと顔を見られていたのかと思うと、体が熱くなった。


佑奈「あ、見えてきました。あそこです」


女子が好きそうなお洒落なカフェを彼女はその綺麗な手で指差していた。