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哀色夜伽草紙
第5章 狂った時計
壱くんは淡々とした表情でスクリーンを眺めているのに、先程から度々私のスカートの中を弄ろうとするのでそれを手で払って抵抗する。

「……んフ…」

それなのにまた手を入れてくるから思わず声が出てしまい慌てて口を押さえた。

壱くんはクールな人だとか、気難しいと言われているけれど私には本当にただ甘くて優しく愛してくれる人だ。

そして、滾る様な熱い感情を持った人だ。

私はその愛にずっと甘えて抜け出せなくなっている。


こんな事、許さないほうが良いのだろうけれど

いつもされるがままになっていて、これで良いのだろうかと思いながらも従ってしまう。


映画が終わるまで壱くんは私への愛撫をやめなかった。


映画が終わり、それぞれお手洗いに向かう。
すっかり欲望にスイッチを入れられてしまった身体を持て余していたけれど

まさかこんな所で慰めるわけにもいかず、深呼吸をして気持ちを落ち着かせてから待ち合わせてたいる出口の外の売店へ向かった。


待つ間、主演俳優の紀野くんが特集されている雑誌を買おうと物色していると、一冊しかない本を同時に取る手があった

「あ」

一歩早くあちらが手にしたので思わず声が出てしまう

「あ、すみません……あれ?笹木さん」

話しかけられてビックリすると

「羽田くん、お疲れ様」

顔を向けるとTシャツにジーンズのラフな格好の羽田くんだった。

会社で見た時より幾分砕けて見える。


「偶然ですね、笹木さんお一人ですか?」

「ううん……」

誰と言うべきなのか一瞬思案すると、後ろから不機嫌そうな声が飛んできた

「彼氏と一緒、でしょ?琴莉」

「壱くん……」

壱くんは刺すような冷たい目で羽田くんを見て、すぐに反らした。

見たことないその目に身体が震える。

「雑誌なら他で買ってあげるから、お譲りしたら?」

そう言うと壱くんが私の腰を抱いて甘い顔で微笑んだ。

「うん、そうだねどうぞ」

「では遠慮なく。しかし……素敵ですが過保護な彼氏さんですね琴莉さん?それではさようなら」

ヒラヒラと手を振りながら羽田くんが雑誌をレジに持っていった

わざとらしく優しく名前を呼ぶなんて一体何?会社じゃそんな風に優しく呼ばないじゃないと思った。

「ほら、琴莉行こう」

壱くんがもう優しい目になって手を握ったから、安心して握り返して店をあとにした

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