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哀色夜伽草紙
第5章 狂った時計

昨日は狂った様に求めあって……
結局壱くんの提案も私の憂いも曖昧になっていた。
仕切り直して今日出掛けてきた。
隣を歩きながらそっと横顔を見詰めると、壱くんはこちらを見ないで言い出した
「どした?ん?早く帰ってシたいの?」
「な、ば、か!違うもん……ねぇ壱くん」
「んー?」
ツンツンと袖を引っ張ると壱くんが私の方を見て頬に指で触れて優しく目を細める
どうしていいか自分でも分からない。
だけど……不安なの。
「どうしたのさっきから。観たかったんだろ?この映画、早く行かないと始めから見られないぞ。大好きな紀野くんの作品に間に合わないかもよ?」
「それはヤダ!」
「はいはい、じゃ行こう」
壱くんの気持が気になったけれど、考えてもわからないまま惰眠を貪っていると
「ほら、琴莉…今日はデートするんだろ?そろそろ起きなさい」
と、起こされた。
「ん……うん」
探るように壱くんを見たけれど、いつもと変わりなかったし
今も特に変わった様子はないから、それ以上考えるのを止めた
映画の最中、壱くんの指が私の太腿に乗せられて…何度も意味ありげに擦られた
(恋愛映画は失敗したかも……)
私が好きな俳優の主演映画だからと壱くんが前売り券を用意してくれたのだけれど
結構なラブシーンが多くて気恥ずかしい。
結局壱くんの提案も私の憂いも曖昧になっていた。
仕切り直して今日出掛けてきた。
隣を歩きながらそっと横顔を見詰めると、壱くんはこちらを見ないで言い出した
「どした?ん?早く帰ってシたいの?」
「な、ば、か!違うもん……ねぇ壱くん」
「んー?」
ツンツンと袖を引っ張ると壱くんが私の方を見て頬に指で触れて優しく目を細める
どうしていいか自分でも分からない。
だけど……不安なの。
「どうしたのさっきから。観たかったんだろ?この映画、早く行かないと始めから見られないぞ。大好きな紀野くんの作品に間に合わないかもよ?」
「それはヤダ!」
「はいはい、じゃ行こう」
壱くんの気持が気になったけれど、考えてもわからないまま惰眠を貪っていると
「ほら、琴莉…今日はデートするんだろ?そろそろ起きなさい」
と、起こされた。
「ん……うん」
探るように壱くんを見たけれど、いつもと変わりなかったし
今も特に変わった様子はないから、それ以上考えるのを止めた
映画の最中、壱くんの指が私の太腿に乗せられて…何度も意味ありげに擦られた
(恋愛映画は失敗したかも……)
私が好きな俳優の主演映画だからと壱くんが前売り券を用意してくれたのだけれど
結構なラブシーンが多くて気恥ずかしい。

