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哀色夜伽草紙
第4章 2人のカンケイ
その後は……やっぱり羽田くんはまるで何も無かったように接していて、仕事をもしっかりこなした。

(一体どういうつもりなの?)

全然分からなかった。

それに、私自身の気持も分からなかった。
壱くん以外の男性は駄目な筈なのだ。

慕っている井坂課長でさえ、やっと慣れてきた所た。

今は大丈夫だが、私はあの高校生の時の経験からか、男性に触れられるのは身構えてしまうし好きではない。

それなのに?

もしかして壱くんに育てられて……まさか私は淫乱になってしまったのだろうか?

誰でもイイだなんてふしだらな女になってしまったのではないかと悩んでしまう。



そのまま2週間、特に羽田くんとは何もなかった。

彼はもう仕事の流れは把握したらしく、一人で作業する事も増えた。

確認はまだまだ必要だろうけれど、部署ごとの担当者とも顔合わせも終わってきて、あと1月もすれば一人で出来そうだった。


「マーケティング課って何をやるんだろうと思っていましたけど、面白いですね。アチコチのモノの流れがわかるし」

「そうね。食品や雑貨そして家具や電化製品色んなものを扱う会社だから、それぞれの部門ごとにマーケティング調査って大事なのよね……全く違うお店みたいなものだけど、この課はそれをあちこちから集めるところだもんねぇ」

私もここに来てこの会社の仕事の面白さがわかった気がする。

「異動してきて良かったです」

「そう、それは良かった」


羽田くんも畑違いの開発課から来たわけで戸惑いもあっただろうけど、気に入ってもらえたなら良かった。
そう思っていると、ぽそりと羽田くんが言った。

「笹木さんも居るし……」

「やめてよ冗談は」

何を言うのだろう。やめてほしい。

「本気ですよ」

眠そうな垂れ目なのに、この目だ……ガラス玉のように澄んで見透かされそうな透明な目。

この目はやめて、お願い……

「あ、そう……光栄だわ」

だからわざとそう返してくるりと背を向けた。
ハァと溜め息が聞こえたけれど、聞こえないふりをした。




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