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哀色夜伽草紙
第3章 新しい人

週明け、正式に羽田くんが異動してきて私が指導についた。
「笹木さん、これは?」
資料の説明をしていると、すぐに把握したのか羽田くんがその資料をいくつかすぐに質問をしてメモをしてと、かなりのハイペースで仕事を理解していく。
のんびりして見えるが、相当キレ者らしい。
「あ、それはそれぞれの部署の担当者が載ってるの。商品によってアンケート取る依頼したりする部署が違うんだけど、必要に応じて確認してもらうの。はじめは見当がつかないだろうからここを参考にしてね」
「なるほど、はい」
メモが目に入って何となく見ると、とても字がきれいでびっくりしてしまい思わず呟いた。
「字、綺麗なのね」
「え」
「あっごめんなさい、メモが見えたから……」
勝手に人のメモを見るなんてはしたなかったかなと謝ると羽田くんは無表情で頬を掻いた。
「いえ……嬉しいです、笹木さんにそう言ってもらえると」
「え?」
「笹木さんの字が綺麗なの知ってますから」
どうして知っているのだろう?と首を捻ると羽田くんが今度は小さく笑った。
「開発課に書類回す時にいつも付箋やメモをつけてくれてましたよね?それで知ってます」
「あ……そうなんだ、有難う」
確かに……殆ど電子書類なのだが、開発課へ回すために後から最新の情報を手書きで書き加えたりしていたので付箋やメモで1言添えているのだった。
そんな細かい所まで見ていてもらえて嬉しいのはこちらだ。
「笹木さん、これは?」
資料の説明をしていると、すぐに把握したのか羽田くんがその資料をいくつかすぐに質問をしてメモをしてと、かなりのハイペースで仕事を理解していく。
のんびりして見えるが、相当キレ者らしい。
「あ、それはそれぞれの部署の担当者が載ってるの。商品によってアンケート取る依頼したりする部署が違うんだけど、必要に応じて確認してもらうの。はじめは見当がつかないだろうからここを参考にしてね」
「なるほど、はい」
メモが目に入って何となく見ると、とても字がきれいでびっくりしてしまい思わず呟いた。
「字、綺麗なのね」
「え」
「あっごめんなさい、メモが見えたから……」
勝手に人のメモを見るなんてはしたなかったかなと謝ると羽田くんは無表情で頬を掻いた。
「いえ……嬉しいです、笹木さんにそう言ってもらえると」
「え?」
「笹木さんの字が綺麗なの知ってますから」
どうして知っているのだろう?と首を捻ると羽田くんが今度は小さく笑った。
「開発課に書類回す時にいつも付箋やメモをつけてくれてましたよね?それで知ってます」
「あ……そうなんだ、有難う」
確かに……殆ど電子書類なのだが、開発課へ回すために後から最新の情報を手書きで書き加えたりしていたので付箋やメモで1言添えているのだった。
そんな細かい所まで見ていてもらえて嬉しいのはこちらだ。

