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哀色夜伽草紙
第13章 哀色夜伽草紙
「琴莉の事は譲れない、だけど、琴莉以外のオレの財産を全てお前に譲るよ」

壱くんがそのように省吾と話をしたらしい。納得がいっていなかった省吾も、数カ月の間に変わったのか継ぐ決意を固めたようだった。

財産を放棄する手続きも終え、二人は式を挙げたのだ。

シートに沈みこむように座った壱くんが私の手を強く握りしめながら呟いた。

「終わった……ね」

私にも分からない。どれ程の闇を壱くんが内に秘めているのか。
幼い時から独りで抱えて来た闇は消えることはなくとも、実家と決別したことで一区切りを付けて、新しく始まればいいと思った。

「うん、そして始まったね」

「ああ始まった。これからは琴莉だけがオレの家族だ、よろしくね?」

幼い時から複雑な生い立ちを抱えて生きてきた壱くん、その苦しみから解放してあげたいという思いは変わらない。

「うん。私が壱くんの家族になる、そしてこの子もね?」

お腹をさすりながら付け加えると壱くんがそうだったな。と笑って私のお腹を擦った。

この子が仕事をやめるきっかけになった。
妊娠が判った途端に過保護な壱くんが一刻も早く井坂課長に退職させてと強引に話してたみたいだ。

相変わらず私に二人は甘い。


これからも生きていける。

たとえ許されない関係だとしても、世間的には何の問題もないのだから。

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