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哀色夜伽草紙
第13章 哀色夜伽草紙
気が付けば壱くんに抱き締められたまま、日の光が射す部屋で朝を迎えた。

いつの間にかカーテンが、開け放たれていて暗い夜空のような部屋が今は陽射しできらきらとしていた。

見えた時計を見ると6時半で、モゾモゾと抜け出そうと動くと壱くんがぎゅっと引き寄せ抱きしめてきた。

「壱くん、そろそろ起きなきゃ」

出勤時間に間にあわなくなる。そう思っていると、壱くんが微笑みながら私の頭を撫でた。

「そうだね、でも大丈夫、井坂さんには連絡してあるよ、今日は琴莉は休みだ」

「え?」

びっくりしていると壱くんがフフフと唇だけで笑う。

「こんだけ抱いといてナンだけど、琴莉昨日倒れたしね?昨日のウチに休みを申請してたよ羽田が」

「あ、そうなんだ……有難う」

省吾はそう言えばどうしたのだろう?あのまま帰ったのだろうか?

「気になる?アイツのこと」

思いを巡らせていると壱くんが聞いてきた。

「うん……ごめんね」

「いや?琴莉は優しいからね」

「優しくないよ、省吾を利用した……酷いことしちゃったの私」

壱くんの身代わりにしていた。彼の優しさに甘えてばかりだった。

「アイツは大丈夫だよ、琴莉は何も心配しないで?ところでさ、仕事辞めちゃいなよ。ここからじゃ通いづらいしな」

「え?」

在宅ワーカーの壱くんはどこにいても仕事を出来るけれど、私は?

「出版社であるコンテストにいくつか応募してみなよ、それでもし通れば仕事にしてみてもいいんじゃない?イラストレーターになりたかったんだろ?」

それはそうだけど、今の仕事だって簡単には放り出せはしない。

「辞められないよ?そんなに簡単に」

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