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哀色夜伽草紙
第12章 アナタと生きたい
今は何もかも忘れたかった。

壱くんが叔父だってことも、私たちは結ばれてはいけないということも、おじいちゃんや伯母の罪も伯父の罪も全部、全部この空間に消し去りたかった。

そして省吾とのことも、瞬間は彼のモノでもいいと思ったし、昨日二人に愛された時にもこの上なく感じてしまった。

そんな浅ましい自分を消したいのだ。快楽にそれを沈めてしまいたい。

溢れる涙の中、上を向いて壱くんに手を広げて懇願する。

「いいよ、あげる……オレは全部、琴莉のモノだから」

座ってきつく抱き合い、隙間なく密着したあと、壱くんが私をベッドに沈めた。顔を合わせて微笑みながら入り込む壱くんからの吐息に涙が出た。

「何を泣くの…ぁぁ…きもち……」

「分かんない、わかんないよ壱」

何故泣くのか私にもわからない。視界がボヤケて、ただ、快感に身を任せると、壱くんが涙を唇で拭いながら出し入れをした。

「大丈夫、琴莉とオレはもう離れない。幸せになろう?」

ギュッと抱きしめてから壱くんが私を穿つ。

「んぁっ……」

「琴莉、貴女はオレの宿命の人だ」

離れていた時間を取り戻すように跳ねて、二人で夜の狭間で踊り続けた。

殆ど意識が失われそうになった時、壱くんが私をベッドにうつ伏せに押し付けるように体を回した。

そのまま後ろから入り直して突いてくるその感覚はキツく、刺激が強かった。

「ん……」

「良い子だ……」

一度離れた身体が再び重なり合う。顔が見えないが柔らかな温もりに安心感はあった

やがて、絶頂の後に白濁のそれが隔たりなく私の身体に注がれて行くのを薄れてゆく意識の中でぼんやりと感じた。

「ああ……」

これは壱くんの意思なのだ。二人は戻れない道を歩くのだと思った。

「離さない」

そして最後に耳許で囁きが聞こえた気がした。

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