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哀色夜伽草紙
第12章 アナタと生きたい
そこはまるで夜空のような暗闇にぼんやりと小さな黄色の光があちこちに灯っている部屋だった。

「これ寝室?」

「そう、夜空の中みたいだろう?」

月のように魅力的で私を惑わして止まない壱くんとの許されない情事は、夜空の中で人としての柵を捨てて耽るのが相応しいのかもしれない。

「紺色のシーツ……」

「うん。やっぱり琴莉を愛するにはこれじゃないとね」

指が舐めるように身体をなぞり、着ていた服を取り払われていくと、慣れた刺激に身体がしなる。

省吾と二人に愛されていたから久々ではない。けれど、壱くんだけに愛されるこの時間が久々で、涙が出た。

結婚なんて出来なくていい、子どもだって望まない、ただこの人の傍で生きて行きたい。

「…ん…っ…ぁ…」

ゆっくり押し倒された身体の上にシャツを脱ぎ捨てた壱くんが股がる。

ぼんやりと浮かび上がる白い身体は細く見えるけれど、腕はしっかりと男だった。

浮かんだ艶めかしい表情の彼は従兄弟で叔父の壱くんではなくて、ただ一人の男性だった。

「壱……」

「なぁに琴莉、珍しいね、ぁ……」

一人の男性に女性して愛されくて『壱』と呼んだ。そんな事で事実が変わる訳ではないけれど、そうしたいと思ったのだ。

「貴女にそう呼ばれると、この名前が世界一幸せな名前に聞こえるよ……んっ……ナカ、すごいなぁ」

「はぁ……ぁ……はぁ……」

グチュグチュと蜜をかき混ぜる音と私の荒い息の音が部屋に響く。

「溢れてるし、あったけぇ……琴莉はやっぱり最高の女だね」

「大袈裟……ぁ…っ」

増やされた指がナカを執拗に擦るから、ガクガクと震えた身体に止まらない指が彷徨い、壱くんの背中を痛め付けてしまう。

「っ……」

その痛みに歪めた壱くんの顔に色気を感じてしまう私は悪魔なのだろうか。

「んぁあ……ごめ………なさ……」

「気にすんな、てか余裕あんね?んー?まだ、まだ足んねーの?」

指は止めずに胸の飾りをまるで飴のように口内で舐め転がされ、止まらない指に搾り取るように締まる蜜壺、伸びる脚

「やぁ……ぁぁっ…」

壱くんとならあっという間に達してしまう。

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