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MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「大丈夫っ?!」
「っあー……だいじょ……ぶっ!!」
「やんっ!!」

 るりちゃん。心配してくれんのは嬉しんだけど、またお湯から体をざばっと乗り出し過ぎてるよ。
 
 ……もう、どうにでもしてっ……!!
 卒業式出席が危ねー事になりそうな時間は、さっさと終わろう。

「ごめん、ちょっとあっち向いててな」

 俺はるりちゃんの方を見ねー様にして、湯船から上がってナニの辺りにタオルを掛けて、るりちゃんに背を向けて椅子に座った。

「んじゃ、お言葉に甘えて、お願いするかー」

 あははー、と乾いた不自然な笑いが、風呂場に響く。

「背中だけ、その辺の奴でちゃちゃっとお願いなー」

 ボディソープとボディタオルの辺りを、背中越しに指差す。さっき床が滑った時に言ってたから、るりちゃんも使用済みの筈だ。適当に言えば分かんたろ。

「ん、分かった」

 ざばぁっと、湯から上がる音がする。
 ほかほかでお湯が滴る、るりちゃんの……
 ……何でも無い。

 カコカコとポンプを押す音。
 背後の気配。
 もしゃもしゃとタオルを泡立ててるらしき音。

「じゃあっ、洗うね!」
「う、ん゛っ!?」

 自分の返事が、変な音した。
 強くも弱くもなく、丁寧に背中が擦られる。
 ……思った以上にすげー気持ち良いな、これ。
 や、全くやらしい意味じゃ無くって。

「どう?」
「すげーいーきもち……!痒いところに手が届くって言葉の意味が、分かった気がするわ……」
「ふふふ!背中って、自分じゃしっかり洗えないもんねっ」

 自慢気なるりちゃん。クソ可愛い。

「かゆいところは、ございませんかー?」
「ぶはっ!それ、シャンプーの時に言われるヤツだろ……っ!?」

 軽口を叩いて笑い合ってた最中に、急に背中がびくっとなった。

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