この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
MILK&honey
第24章 ずっと君を見ていたい

「大丈夫っ?!」
「っあー……だいじょ……ぶっ!!」
「やんっ!!」
るりちゃん。心配してくれんのは嬉しんだけど、またお湯から体をざばっと乗り出し過ぎてるよ。
……もう、どうにでもしてっ……!!
卒業式出席が危ねー事になりそうな時間は、さっさと終わろう。
「ごめん、ちょっとあっち向いててな」
俺はるりちゃんの方を見ねー様にして、湯船から上がってナニの辺りにタオルを掛けて、るりちゃんに背を向けて椅子に座った。
「んじゃ、お言葉に甘えて、お願いするかー」
あははー、と乾いた不自然な笑いが、風呂場に響く。
「背中だけ、その辺の奴でちゃちゃっとお願いなー」
ボディソープとボディタオルの辺りを、背中越しに指差す。さっき床が滑った時に言ってたから、るりちゃんも使用済みの筈だ。適当に言えば分かんたろ。
「ん、分かった」
ざばぁっと、湯から上がる音がする。
ほかほかでお湯が滴る、るりちゃんの……
……何でも無い。
カコカコとポンプを押す音。
背後の気配。
もしゃもしゃとタオルを泡立ててるらしき音。
「じゃあっ、洗うね!」
「う、ん゛っ!?」
自分の返事が、変な音した。
強くも弱くもなく、丁寧に背中が擦られる。
……思った以上にすげー気持ち良いな、これ。
や、全くやらしい意味じゃ無くって。
「どう?」
「すげーいーきもち……!痒いところに手が届くって言葉の意味が、分かった気がするわ……」
「ふふふ!背中って、自分じゃしっかり洗えないもんねっ」
自慢気なるりちゃん。クソ可愛い。
「かゆいところは、ございませんかー?」
「ぶはっ!それ、シャンプーの時に言われるヤツだろ……っ!?」
軽口を叩いて笑い合ってた最中に、急に背中がびくっとなった。

