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永遠の愛を奪って
第15章 明るい未来への一歩

緊張しながら声を掛けると祐は足を止めて私の方を向いてくれた。
歩み寄って距離を縮めてみると、なぜなのか笑いそうになっている顔を隠すように逸らす。
「なっ…、笑うことないじゃん……」
「はははっ。だって、おっさんみたいなくしゃみをしてるからつい……。ははははっ」
でもいつも通りの笑い方を見ることができてホッとした。
私が信じていると答えられなかったことについてもう怒ってないのかな……。
それとも別れまでチラつかせておいて気にしていない……?
「えっと……、今日は残業だったの……?」
「うん。やることがいっぱいあってさー。最近、毎日残業続き。小春のとこは?」
「私の方は残業するほどではないかな」
「そっか。いいな……。じゃあ、定時になってからオレのことを待っていたってこと?」
「うん……」

