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永遠の愛を奪って
第7章 はじめてのお泊まり

私にクリアファイルを届けてくれた時のように困っていると手を差し伸べてくれる。
それが誰であってもだ。
会社では他の女性社員のことを助けている様子を何度も見掛けてきた。
今は周囲に女性がいないから、その場面を見掛けずに済んでいるけど……。
「そこが青木くんのいいところだもんね。誰にでも優しくできるってすごいよ」
潮風で微かになびいた髪の毛を耳に掛けながら青木くんのことを見つめると、少し驚いたような顔をしてから口角を上げてくれた。
「……オレは小春のそういう優しいところが好きだな」
「えっ……」
「穂並さんの後ろをくっついて歩いているところをよく見掛けていたけど、話に混ざれなくても嫌な顔ひとつしないでいるから良い性格な子だなって思ってた」
「それはただ話を聞くので精一杯だったというか……」
「……次は穏やかな恋愛がしたかったから小春と付き合えて良かったと思う」

