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愛おしいキミに極甘な林檎を
第66章 番外編:愛の行方
春に向かって少し暖かくなってきた二月下旬。
婚姻届を提出する予定の日までもうすぐだ。
自宅で鍋を作って食べたあと、ソラ先輩がダイニングテーブルに肘をついて指を組む。
「あのさ、風子」
「真剣そうな顔をしてなんですか?」
対面の椅子に座っている私を真っ直ぐに見てくる。
これは他愛のない話ではなさそうだ。
でも、すぐに話さなかった。
三十秒ほど経ってからソラ先輩は口を開く。
「家に泊まって欲しいと誘われたんだけど、明日行ってもいいかな?」
「えっ……」
さっきまで鍋を食べながら楽しく話をしていたけど、私の笑顔が一瞬で消える。
同時にヒヤッとして頭の中が真っ白になった。
そして、心の中が嫌な気持ちでいっぱいになる。
「泊まりだなんて、だっ、ダメです!
ソラ先輩は私という婚約者がいるじゃないですか」
「そうだけど、せっかく誘われたから一泊くらい許してよ」
意外すぎるお願いだ。
私は太股の上に両手を置き、拳を作って俯いた。
ソラ先輩に“許して”と言われたら断れない。
なぜなら、私は何度もソラ先輩に心配を掛けて、不安にさせてしまったから……。
「許さないといけないほど、私はソラ先輩に迷惑を掛けてしまっていますよね。自覚があります。
でも、わがままかもしれませんが絶対に嫌です。
他の女の家に泊まって欲しくないです!」
「確かに、女……もいるね……」

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