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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート

撮った写真に写っている私たちは皆いい顔をしていて争った過去があるようには見えない。
これからもそうであって欲しいと願うばかりだ。
数年後にこの写真を見て、いい思い出だったとソラ先輩と二人で笑っていれたらいいなと思う。
「風子はそう思うんだね。楽しかったのならいいデートになったね」
窓の外は月が見えるほど真っ暗になっている。薄暗い車内に微かな光が差し込む中、私はスマホの画面からソラ先輩の横顔へと視線を移した。
いくら楽しかったと言ってくれても本心はそれだけではないような気がする。
那砂さんと恋のライバルと一緒にいたんだから黙っているだけ色んな感情があったはずだ。
その苦労を労うため、お疲れさまでしたっと伝えるようにソラ先輩の肩に頭をのせ、太股の上には手を置いて甘えてみせる。
「ねえ、こうやっていていいですか?」
「いいよ。疲れただろうし、家に着くまで眠っていていいからね」
「起きてます。ソラ先輩が運転を頑張っているんだから私も付き合います。乗ってることしかできないですけど」

