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第62章 愛おしいあなたに……

式場に着いてからお世話になるスタッフの方々に一通り挨拶が終わった後、私はソラ先輩と一旦離れることになった。


それはヘアメイクと着付けがあるから……。



高級感のある真っ白な廊下を歩いて向かったのは花嫁の控え室。


初対面のヘアメイク担当の若い女性と二人きりで緊張する。



「本日は担当の者が体調不良でどうしても来れないということで、わたしが代わりに努めさせていただきます。

ご希望のヘアメイクのことは担当から聞いておりましたが、ここをこうして欲しいってことがありましたらおっしゃってくださいね」


「分かりました。よろしくお願いします」


「まずはメイクからしますね」


大きな鏡がある化粧台の椅子を引かれて、そこに座ると化粧水を染み込ませたコットンを顔に当てられてから手際よく先の工程へと進んでいく。


担当する人が変わったようだけど、何ら問題なさそうだった。


鏡に映る姿を見ていると、自分で化粧をするよりもどんどん綺麗に仕上がっていった。


「メイクはこんな感じで大丈夫ですかね？」


「はい。ありがとうございます」


「次はヘアセットをしていきますね。……ひっ！？」