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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……


それでもソラ先輩はリビングに戻って、何やら書いてくれて私に小さなメモ帳を渡してきた。


短期間でたくさんのことを覚えてきたから、記憶から抜け落ちていることもたくさんある。


小さいメモ帳をパラパラと捲ってみるとそのことや対処法も書かれている。でも主にソラ先輩に話し掛ければ解決するようだ。



「なるべく風子のことを見てるけど、俺が対処できない時に困ったことがあったら今度こそこれに頼るんだよ」


「さっきはあんなことを聞いてすみませんでした……」


「大丈夫だよ。急だったし、なんとかなったから」


「ありがとうございます。……今日は楽しい日にしましょうね」


ぽふっと胸に飛び込むと出発する時間が迫ってきているのにも関わらず、緊張している私を抱きしめてくれた。


ぬくもりに触れていたら、お婆さんに掛けられたプレッシャーも忘れてしまうほど心が癒えて今日一日頑張る気力が充電された。



「行こうか、風子」


「はい」


準備を終えてから手を握られて私とソラ先輩は向かう。夢見ていた幸せの時間へ――――。


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