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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……

「えっ……」
想定外の出来事と真面目な顔つきで視線を向けられて驚き、私は目を大きく開いてしばらく口を閉じることができなかった。
そのまま動けずにいるとソラ先輩は椅子から立ち上がって他の部屋に行ってすぐに戻ってくる。
でもその戻り方はぎこちなくて、両手を後ろに回して何かを隠しているようだった。
椅子に座っている私の前に立つけれど、持ってきたそれはまだ見せてくれない。
「なんですか?」
「いや、風子こそ話したいことがあるんだろ。俺が後の方がいいかな?」
「いえ……、私の方は急ぎではないので先にどうぞ……」
手のひらを向けて順番を譲るとソラ先輩がすぅっと深呼吸したように見えた。
「風子は一人しかいないってことは分かってる。でも今のキミにまだ言っていなかったことがあるんだ」
「言っていなかったこと?」
「うん。明日は何の日?」

