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愛おしいキミに極甘な林檎を
第62章 愛おしいあなたに……



今日一日、何もできなかったことを思い返すと悔しくて涙が滲んできた。


そのことをソラ先輩に知られて心配をかけたくなくて唇をギリッと噛んで涙が治まるように耐える。



「約立たずじゃないよ。いざと言う時に動けるように休むことも大事な仕事だと思うから」


「そうですよね……。ここは素直に甘えさせてもらって休んでます」


洗い物をやめてタオルで手を拭いてからソファに横になって目を閉じる。


だけど、しばらくしても眠ることができなくて、ぼーっとしているのも嫌だったからスマホを見ることにした。


そのカメラで撮った写真を見ると、元気だった頃の自分とソラ先輩が一緒に笑っているものが何枚も並んでいる。


心配する顔じゃなくてこの写真に写っているように幸せに笑って欲しい。


台所で包丁で不器用そうに野菜を切る音を立てているソラ先輩の方を体を起こしてから見て思う。



結婚式で前みたいに笑ってくれるかな……。


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