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愛おしいキミに極甘な林檎を
第55章 届かぬ愛の裏切り



潮崎さんから聞いた話でどうしてなのか、何かが引っかかった。


チョコを溶かして、ハートの型に入れて誰かのことを想って作っている温かい思い出。


作っている時もドキドキしていたけど、渡す時もとても勇気が必要だった男の子が一人いる。



誰の名前をホワイトチョコで書いたんだっけ……。


あれは……、潮崎さんの名前だったかな……。



急に戻ってきた失っていた記憶。


少し蘇ったおかげで抜けている何かが繋がった気がするんだけど、肝心のその何かがまだ思い出せなくてモヤモヤする。



「勘違いするなよ!チョコを催促してるわけじゃなからな」


「来月はバレンタインデーですね。彼女からチョコをもらえるなら十分じゃないですか」


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